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さしす梅(さしす梅干し)とは?作り方・レシピや残った梅酢の使い方も紹介

さしす梅(さしす梅干し)とは?作り方・レシピや残った梅酢の使い方も紹介

梅を使ったレシピの一つに、「さしす梅(さしす梅干し)」というものがあります。

このユニークな名前の梅干しがどういったものか、皆さんはご存知でしょうか。

さしす梅の正体は、砂糖と塩、酢で漬けた梅干しのことです。

梅干しといえば塩で漬けたものが一般的なため、砂糖や酢を加えて漬けるというのにピンとこない方もいると思います。

さしす梅は、塩漬けの梅干し(白梅干し)よりも味に甘みがあるため、食べやすいのが特徴で、梅干しが苦手な方にもおすすめできる一品です。

本記事では、さしす梅とはなにか、作り方やレシピ、残った梅酢(さしす梅酢)の使い方を併せてご紹介します。

梅流し

さしす梅(さしす梅干し)とは

さしす梅とは、砂糖(さ)塩(し)酢(す)で漬けて干した梅のことです。

作り方の基本に干す工程を挟むため、「さしす梅干し」と呼ばれることもあります。

比較的新しい梅の漬け方で、料理研究家の横山タカ子さんによって考案されたものです。

昔ながらの梅干しに比べて塩気は控えめながら、梅の実が傷みにくいという利点があります。

塩は昔から食品の保存に用いられてきたように、食品の保存性を高めてくれる調味料です。

主成分である塩化ナトリウムには浸透脱水作用があり、微生物の繁殖が抑えられます。

また、お酢にも強い殺菌作用があるため、梅を塩やお酢で漬けると防腐効果が期待できます。

さしす梅の味については、砂糖漬けにするためほんのり甘く食べやすいのが特徴です。

梅だけでなく、さしすも美味しい梅酢として活用できるのも魅力です。

参考:J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]「第1回 食品の「傷み」を防ぐための基本 | よくわかる食品保存の基本」

基本のさしす梅の作り方・レシピ

梅を塩漬けにする白梅干しに対し、さしす梅は梅をさしす漬けにする方法です。

白梅干しと同じく、ご家庭で作ることが可能です。

ここでは、基本のさしす梅の作り方・レシピをご紹介します。

準備するもの

さしす梅を作るのに必要なものは次の通りです。

<材料>

・完熟梅……1㎏

・砂糖(ざらめもしくは氷砂糖)……300g

・粗塩……100g

・酢……800ml

さしす梅に使うお酢の種類は、穀物酢やりんご酢、米酢、黒酢などお好みで選んでください。

<道具>

・竹串

・保存瓶

・落し蓋(皿でも可)

・箸

・ボウル

・土用干し用のざる

・布巾

さしす梅の保存容器は、酸に弱いアルミやプラスチックを避け、ガラスやホーロー製のものを選ぶのがベターです。

作り方

  1. 梅を水洗いし、竹串でヘタを取り除き、布巾で水気を拭き取ります。
  2. 保存瓶に梅を入れ、砂糖と粗塩を加えて酢を注ぎます。
  3. フタを閉めて冷暗所に約2週間寝かせてください。万が一梅が浮いてしまう場合は、落し蓋をして梅が酢に完全に漬かるようにします。
  4. ボウルの上にざるを置き、箸で梅を移動させ、汁気を切ってください。
  5. 4を天候の良い日程で三日三晩干します。夜間は夜露にあて、朝に梅を裏返してください。
  6. 5を煮沸消毒した保存瓶に移して保存します。

上記がさしす梅(さしす梅干し)の作り方です。

梅を取り除いた後に残る「さしす」は、甘くておいしい酢として調理に活用できます。

また、5の手順を省くと、梅を干さない「さしす梅漬け」になります。

梅を干す工程がない分手軽に作れて、楽しく作れるため、梅仕事初心者にもおすすめです。

残った「さしす梅酢」の使い方

さしす梅の副産物と呼べる「さしす梅酢(さしすうめず)」には、梅の栄養がたっぷり詰まっています。

捨ててしまうのはもったいないので、料理の味付けに使用してください。

ここでは、さしす梅酢のおすすめの使い方をご紹介します。

鶏手羽先のさしす梅酢煮

さしす梅酢を使うと、脂っこくなりがちな肉料理もさっぱり仕上げられます。

スタミナをつけたい時におすすめなのが、鶏手羽先のさしす梅酢煮です。

<準備するもの(2人分)>

・さしす梅酢……100ml

・さしす梅干し……2個

・手羽先……600g(10本)

・ニンニク……中サイズ1/2

・生姜……適量

・醤油……50ml

・日本酒……50ml

・砂糖……小さじ3

お好みで和風だしの素や鶏がらスープの素を入れてもOKです。

<作り方>

  1. ニンニクをみじん切りにします。
  2. 手羽先をジップロックに入れ、1と日本酒を入れて冷蔵庫で一晩寝かせます。
  3. 鍋に2を移し、材料をすべて加えて弱火で加熱してください。
  4. 手羽先に火が通ったら火を止め、一時間程度置きます。
  5. 再度加熱をし、手羽先に味が染み込んだら完成です。

味をよく染み込ませるためにも、途中で手羽先を裏返すと良いです。

煮込んでいる時にアクが出た場合は、軽く取り除いてください。

野菜のさしす梅酢漬け(ピクルス)

箸休めに最適のレシピが、野菜のさしす梅酢漬け(ピクルス)です。

梅酢の酸味に塩味が効いているさっぱりした後味は、つい手が止まらなくなる美味しさです。

<準備するもの(2人分)>

・さしす梅酢……60ml

・水……60ml

・ニンジン……1/2本

・大根……100g

・きゅうり……1/2本

・ブラックペッパー……少々

・保存容器(酸に強いガラス瓶やホーローの容器)

<作り方>

  1. 用意した野菜を拍子木切り(きゅうりは輪切りでも可)にします。
  2. 保存容器に1を入れてブラックペッパーを振りかけ、さしす梅酢と水を注ぎ入れます。
  3. 冷蔵庫で丸一日保存したら完成です。

さしす梅酢の分量を多くすると、酸味や塩気が強く食べにくいことがあるため注意が必要です。

漬ける野菜の種類はお好みでお選びください。

さしす梅の酢の種類をいろいろ試して、アレンジしてみるのもおすすめです。

さしす梅酢ドレッシング

さしす梅酢の味をしっかり堪能したい人は、ドレッシングとして活用してみてください。

生野菜にドレッシングとしてかければ、さしす梅酢のほんのり甘くて程よく酸味の効いた味が楽しめます。

<準備するもの(2人分)>

・さしす梅酢……100ml

・玉ねぎ……1/2個

・オリーブオイル……大さじ1

玉ねぎの代わりに、ニンジンを使用してもOKです。

<作り方>

  1. 玉ねぎの皮を剥き、頭の部分を切り落として根元を残します。
  2. すりおろし器で1をすりおろします。
  3. さしす梅酢に2を入れて混ぜ合わせ、オリーブオイルを加えてください。

後は、サラダなどにかけるだけなので簡単です。

玉ねぎの苦みが気になる場合は、すりおろす前に電子レンジ(600W)で30秒ほど加熱してください。

梅酢に含まれるクエン酸が胃腸の働きを活発にし、食欲を増進させてくれます。

疲労回復にも効果的ですので、夏の食欲がない時にもおすすめです。

ちらし寿司

さしす梅酢を家族で楽しむなら、ちらし寿司への活用がおすすめです。

「さしす梅が美味しくない!」というお子さまにも、きっと喜んでもらえます。

<準備するもの(4人分)>

・さしす梅酢……大さじ3

・ごはん……3合

・鮭の切り身……1本

・きゅうり……1本

・砂糖(なくても可)……お好みで

・しそ(大葉でも可)……適量

・ごま……適量

海老やいくらなどをのせて豪華にしても良いと思います。

<作り方>

  1. 炊きたてのご飯にさしす梅酢を加えます。
  2. 鮭の切り身を焼き目がつく程度に焼き、ほぐします。
  3. きゅうりを薄くスライスするか、輪切りにしてください。
  4. 1に2と3を混ぜてよくかき混ぜます。
  5. 茶碗に盛り付け、しそやごまをトッピングしたら完成です。

ちらし寿司は子供に人気のレシピですから、ひな祭りや誕生日などのお祝いイベントに最適です。

普段のちらし寿司は定番レシピで作り、特別な日は豪華なトッピングにしてみてください。

プラムレディの梅で、美味しいさしす梅を作ろう

今回は、砂糖(さ)塩(し)酢(す)で漬けて干した梅、さしす梅をご紹介しました。

梅仕事が初めてですと、「梅の漬け方が難しそう」といったイメージを持っている方も多いと思います。

さしす梅は通常の梅干しよりも失敗のリスクが少ないですから、これから梅仕事を始める人はぜひお試しください。

さしす梅やその副産物であるさしす梅酢の味は、使用する梅の種類に大きく左右されます。

美味しいさしす梅を作るには、梅の選び方が重要です。

プラムレディでは、全国一の梅の生産量を誇る和歌山県産の「南高梅」を使った梅干しを販売しております。

また、初めての梅仕事に役立つ「手作り梅シロップキット」も取り扱っているため、ぜひ一度ご覧ください。
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