和歌山の梅干しはなぜ有名?和歌山の梅の背景から解説

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和歌山の名産といえばみかんがありますが、実は梅干しも有名です。とくに和歌山でつくられた南高梅は、梅のなかでも最高級品種と名高くお土産としても好まれています。

今回は、和歌山の梅干しがなぜ有名になったのかを解説します。歴史的背景やお土産として人気の理由、和歌山で生産される梅の特徴などを知りたい方は参考にしてください。
梅流し

和歌山県は梅の生産量が全国1位

和歌山県は、梅の生産量が全国で最も多い県です。

令和5年度の都道府県別収穫量の集計結果では和歌山県が全体の6割を占めており、国内収穫量の約6割を占めるのは、青森県のりんご収穫量とほぼ同じ割合です。

全国各地で和歌山県の梅干しが出回っているのが分かります。

出典:農林水産省 令和5年産びわ、おうとう、うめの結果樹面積、収穫量及び出荷量

生産量1位のヒミツは「気候」にあり

和歌山で梅が多く生産できる秘訣は、あたたかな気候がポイントです。

梅の生産地として有名な田辺市やみなべ町は和歌山県の中部や南部に位置し、他県に比べて年間の気温差が小さく温暖な傾向にあります。また、水はけの良い土壌が多くため、梅の栽培に適した土地といえます。

和歌山で梅・梅干しが有名になった由来とは?

和歌山の梅栽培は、江戸時代初期にさかのぼります。

現在の田辺市とみなべ町が位置する田辺領は、稲作の育ちが悪い「やせ地」が多く土地は荒れ果てていました。やせ地は、年貢が免れる免租地として知られており、領主の安藤直次は、年貢に苦しむ農民を助けるために、やせ地での梅栽培を促したことが始まりといわれています。

梅干しブームを生むまでには長い道のりがあった

日清戦争や日露戦争が起きた1894年から1905年にかけて、兵糧食として梅干しの需要が増すのに伴い、梅の栽培も急激に増加していきます。

その後、第2次世界大戦末期の1945年から1947年頃までは、食糧難を改善するために梅の栽培からさつまいもなどの栽培に切り替えました。そのため、この時期の梅の栽培量は著しく減少しています。

戦争が終わり社会経済の復興が進むごとに果実類の需要も増加し、1955年以降には梅の栽培も徐々に増えました。

優良品種の「古城梅」や「南高梅」が出回り、自然食品や健康食品が注目されたことで、1981年頃から梅干しに関心が高まるようになっていきます。

和歌山の梅製造方法は世界農業遺産に認定されている

和歌山県の梅栽培方法は「みなべ・田辺の梅システム」として知られており、世界農業遺産に認定されています。

和歌山県の梅栽培が盛んな田辺市やみなべ町では、梅を山の斜面で育てるのが特徴です。梅の木のまわりには薪炭林を残し、崩落防止や水の確保をしています。

また、薪炭林に住みついたミツバチの力を借りて受粉の手伝いをしてもらうなど自然のサイクルを活用しているのもポイントです。

和歌山では、昔からのつくり方と自然の力を大切にしながら梅栽培が行われています。

出典:農林水産省 世界農業遺産とは

梅・梅干しはお土産にも人気?

健康ブームにのって人気を高めた梅や梅干しは、化粧箱入りのものやひとつずつ個包装されたものなどが出回っており、お土産としても親しまれる商品です。

そんな梅や梅干しがなぜお土産に人気なのか、3つの理由をご紹介します。

長寿の願いが込められている

梅干しは、表面にいくつものシワが見られます。「シワができるまで元気に過ごしてほしい」などの長寿の願いを込めて、プレゼントとして選ぶ方も多いです。

また、梅や梅干しは縁起の良い食べ物を連想させる意味もあり、引き出物やお中元としても活用されています。

長期保存ができる

梅干しは長期保存ができるため、お土産として活用しやすいのも人気の理由のひとつです。

長期保存ができるワケは、梅干しの「塩」にあります。塩は、カビの発生を防止したり梅の腐敗を抑制したりする効果を持ちます。

そのため、梅干し商品の多くは未開封の状態で6ヶ月ほど賞味期限を保つことが可能です。また、塩分濃度が高い梅干しのなかには賞味期限が1年以上のものもあります。

梅を使ったさまざまな加工品が楽しめる

梅の生産量1位の和歌山では、梅を活用したさまざまな加工品が楽しめます。梅干しはもちろん、梅を練り込んだ梅うどんなども販売されており、梅干しの風味を思う存分楽しめるでしょう。

購入先は直売所だけでなく、インターネットでの通信販売も利用可能です。全国どこにいても和歌山の梅を堪能できます。

和歌山で生産されている梅の品種

和歌山ではさまざまな品種の梅が栽培されています。馴染みのあるものから知る人ぞ知る隠れ名品まで種類が豊富なのが魅力のひとつです。

ここでは、それぞれの品種の特徴やおすすめの活用方法についてご紹介します。知っている品種はいくつあるか、ぜひ数えてみてください。

最高級品種と名高い【南高梅】

梅のなかでもとくに知名度の高い南高梅は、生産量も多いのが特徴です。
みなべ町で生産されたのが始まりとされ、和歌山県の紀州南高梅は南高梅のなかでも最も高級と言われています。

皮が薄く、肉厚な果肉とジューシーさが特徴です。種は小さく食べ応えがあります。

柔らかい果肉のヒミツは熟成加減です。梅が自然に落下するのを待ってから収穫させるため、ほかの品種よりも風味豊かな梅となります。

主な収穫時期は6月から7月頃で、粒の小ささが人気の「小粒南高」は6月初旬頃から収穫が始まります。青みの残る時期は梅酒やシロップ、完熟後は梅干しなどに活用するのがおすすめです。

青いダイヤと呼ばれる【古城(ごじろ)梅】

古城梅は大正時代からつくられている梅で、生産量が少ない希少種です。実の色が鮮やかな緑色がきれいなことから「青いダイヤ」といわれています。

収穫時期は5月中旬頃で、南高梅よりも早く出回ります。

南高梅に比べて実が引き締まっており、固さがしっかりとしているため梅干しづくりには不向きな品種ですが、フレッシュな香りを活かした梅酒や梅シロップとして楽しむのがおすすめです。

市場に出回らない幻の梅【パープルクイーン】

田辺市で誕生したパープルクイーンは、1996年に品種登録された梅です。JA紀南管内でのみ栽培される希少度の高い品種で、ほとんど市場に出回りません。

紅紫色の実で南高梅に比べて小粒で食べやすいのがポイントです。果皮のアントシアニンは、ほかの品種に比べて豊富に含まれています。

梅酒や梅ジュース、シロップにすると、ワインのような鮮やかで美しい紅紫色が楽しめます。

ぶどうに似た紫色の希少種【ミスなでしこ】

2005年に誕生したミスなでしこは、田辺市内の十数戸の農家だけが栽培を手がけており、とても希少な梅です。南高梅とパープルクイーンをかけ合わせてつくられ、実は深い紫色が特徴です。

ジャムにすれば紅紫色になり、梅酒や梅シロップにすれば美しいピンク色が楽しめます。

ミスなでしこは直射日光に弱く長期間放置すると退色するため扱いが難しく、早めに食べる必要があります。

酸味が苦手な方も食べやすい【露茜(つゆあかね)】

露茜は、梅とスモモを掛け合わせてつくられた品種で、2009年に誕生した比較的新しい梅です。

スモモの特徴を受け継いだ独特の風味が特徴ですが、酸味は南高梅に比べて控えめなため、酸っぱい梅が苦手な方からも人気があります。

また、皮だけでなく、果肉もきれいな赤色に染まっています。大きい果実と肉厚な果肉、小さい種で食べ応え抜群です。

おすすめの活用方法は、梅ジュースや梅酒です。鮮やかなレッドが楽しめるでしょう。

和歌山で加工されている梅食品

和歌山では特産品の梅を活用してさまざまな加工食品がつくられています。ここでは、それぞれのおすすめポイントについてご紹介します。

【梅干し】風味がいろいろ楽しめる

和歌山の梅干しとして有名なのが南高梅で、柔らかい果肉が特徴です。

また、梅干しは塩の濃度やブレンド方法によってさまざまな風味が楽しめます。塩漬け以外の主な梅干しの種類は、以下のとおりです。

  • 減塩梅
  • ハチミツ漬け梅
  • 紫蘇漬け梅
  • かつお梅

通常の梅干しよりも塩分を控えめにした減塩梅は、高血圧などが心配なご高齢の方でも食べやすいでしょう。ハチミツ漬けの梅干しは、ハチミツの甘さが梅干しの酸味を和らげてくれるため、酸っぱい梅干しが苦手な方やお子さまに人気です。

そのほかにも、紫蘇やかつお節と合わせた梅干しもあり、酸味や塩加減がそれぞれ異なるため、お好みの味が楽しめます。

【梅酒】疲れた日の一杯におすすめ

疲れた日のお供に、ビールなどでは味わえないフルーティーな風味と香りが楽しめる梅酒はいかがでしょうか。お酒の苦味が苦手な方でもおいしくお酒を楽しめるのでおすすめです。

和歌山で販売されている梅酒のなかには、黒糖などをブレンドしたものや梅の実が食べられるものなど、飲みやすくさにこだわった商品が多数販売されています。

多彩なラインナップのなかから、お気に入りを見つけてみましょう。

【梅シロップ】子どもと一緒に楽しめる

甘酸っぱさが特徴の梅シロップは、アルコールが苦手な方や未成年の方におすすめです。水や炭酸水で割れば梅ジュースとしても活用でき、お子さまと一緒に楽しめます。

ジュースだけでなく、デザートに加えたり料理の隠し味に入れたりと、さまざまな使い方ができるのも嬉しいポイントです。

【梅エキス】料理に加えて自由自在にアレンジ

梅を長時間煮詰めてつくられる梅エキスは製造が難しく、1kgの梅から数gしか取れないといわれる手間と時間がかかるのが特徴です。梅エキスは、梅の栄養が濃縮されたエキスのため、スプーン1杯で多くの栄養を摂取できます。

梅エキスの主な活用方法は、以下のとおりです。

  • そのまま食べる
  • サラダにかける
  • 隠し味として料理に混ぜる
  • 水割りやお湯割りで飲む

そのほかにも活用方法はさまざまあり、どの加工品よりも使い勝手が良いのが特徴といえるでしょう。

また、時間や手間がかかりますが、梅干しや梅酒、梅シロップ、梅エキスは自宅でつくることも可能です。和歌山の梅を使って、ぜひおいしい加工食品をつくってみてください。

和歌山の梅干しを堪能しよう!

和歌山は梅干しの生産量が全国1位として知られており、最高級品種の南高梅が有名です。梅栽培の歴史は江戸時代から始まり、現在でも続いている「みなべ・田辺の梅システム」は世界農業遺産に認定されています。

和歌山で生産される梅にはさまざな品種があり、それぞれに酸味や風味が異なるのが特徴です。また、梅シロップや梅エキスなどの加工品も多く手がけてるため、いろいろな方法で梅の香りを楽しめるのも嬉しいポイントです。

プラムレディでは、風味良く香り豊かな梅干しを取り扱っています。「南高梅4点セット」など梅の食べ比べができるセット品の販売もしているため、ご自宅はもちろんプレゼントとしてご活用ください。